おわりに



 運動系の軽微なアンバランスから身体各部の自律神経の状態を読み取 る方法論があるとすれば、多くの人の健康の維持増進にとって有益であるばかりでな く、スポーツや体操、日々の日常動作などに、有意義な指針を提供してくれるものに なるでしょう。  身体均整法は、さまざまな手技療法の多様な身体観を、運動系という統一的な場に おいて、評価し施術する独自の手技療法です。  カイロプラクティック、オステオパシー、経絡理論、スポンデロテラピー、体質矯 正、整体術など、さまざまな手技療法の考え方の不整合や矛盾を、運動系とストレス との関わりから、統一的に位置づけ読み解こうとするところに、その特色があります。  身体均整法は、これまであまり着目されることのなかった運動系と自律神経系との 関わりに目をむけ、軽微な運動系のアンバランスに、くつろぎという独自の意義を見 出しました。  これは、自律神経系を中心とした恒常性維持の活動に、運動系が重要な役割を果た していることを再認識し、心身の適応力を高めようとする運動系本来の役割にあらた めて光をあてようとするものです。  運動系のすぐれた特徴は、その状態を、動的バランス・静的バランス、ならびに力 のバランスの観点から、前後・左右・回旋の対称性の乱れとして客観的にリアルタイ ムに把握できることにあります。  わたしたちは、このような運動系の特性に立脚し、さまざまな手技的な身体調整の 技術を、心身のストレスの軽減という確固とした地盤に結びつけ、安全で合理的な健 康増進の手段として広く社会で活用いただけよう、教育・宣伝・普及につとめている のです。
運動系から見た生命活動のバランス


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