東京支部長就任に際してのご挨拶
東京支部長 田川直樹
深沢功先生の後任として、今年度から東京支部長を務めさせていただくことになりました。東京支部会員の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
亀井師範から数えて、深沢先生の世代が曾孫(ひまご)弟子だとすると、その教えを受けた私の世代は、玄孫(やしゃご)弟子といえるでしょうか。
亀井師範への尊敬の気持ちはもちろん持ちつつも、直接我々にご指導下さった曾孫弟子の先生方への感謝と、また、身体均整法学園への愛着に、より実感のある世代かもしれません。
学園卒業後は、毎月の支部研修会に助けられ、均整師として独り立ちすることができました。
「‘100名均整師’(1ヶ月に少なくとも100名のお客様を施術する均整師)を‘共生’により育てる」
いくつかある東京支部活動計画のうちの、もっとも大切なテーマです。
すでに100名均整師である先生方。また、他の手技や特技を身に付けていらっしゃる先生方。
せっかくの大所帯の東京支部だからこそ、会員皆様の力をお借りしつつ、学園卒業後間もない均整師、5年選手、10年、20年……それぞれの世代の先生方に必要な研修会を提供したいと、役員一同考えております。
支部だよりや研修会DVDも、今以上の充実を図って参ります。特に遠方にお住まいの東京支部会員の皆様、ご期待下さい。
100名均整師、200名均整師がずらっと居並ぶ、毎月の支部研修会場。
学園卒業生が、その場の空気と共鳴し、いつの間にか自分も支部研修会育ちの一人として、100名均整師の仲間入り。そして次の世代へと・・・。そんな流れを、ぜひとも大きく育てていきたいのです。
手技療法に携わる者が必要な知識や技術習得の場として。また、黒田ノートなど均整の資料を通じた、均整研究の発信基地として。ときには大ベテランの先生のオーラを感じ、均整の基本に返る機会として。
今後とも東京支部研修会を、大いに活用して下さい。所属していてよかったと思っていただける身体均整師会東京支部を目指します。
あいさつ〜支部長任期を終えて〜
深沢 功
東京支部の皆様、また、在任中を支えて頂いた、副支部長、理事、委員、監事、相談役、そして協力くださった皆様、ありがとうございました。大過なく任期を終われたことは皆様のお陰だと感謝いたしております。
支部長を田川直樹先生にバトンタッチいたしましたが、理由は、古い者が上を塞いでいては、若い者が頭を塞がれ伸びないと思ったからです。
会が分裂した平成2年(1990)に、いきなり様々な仕事を任されこなして今日まで来ましたが、その経験が非常に勉強になったと思っています。能力は才能ではなく、経験と時間がつくるものと均整師会の活動を通じて思い知らされました。
若い人がどんどん経験を積み育ってこそ、また、その層が厚くなればなるほど、均整師会の発展はあると思います。田川先生を一(はじめ)として、これからの東京支部を支えてゆかれる皆様、どうぞよろしくお願いします。
私は、今度は、バックに回って東京支部を陰ながら支えてゆくつもりです。
■7月の予定■
●東京支部研修会●
「操体法の基本と臨床応用」
講師:川名慶子先生
7月の支部研修会は、操体法をみなさんで勉強してみましょう。
講師として五年ぶりとなる川名慶子先生をお招きします。
川名先生に研修会の紹介をお願い致しました。
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支部会で初めて操体法のお話をさせて頂いたのが2008年ですから、早くも5年近くが経ちました。
操体法は橋本敬三医師(1897〜1993)が体系づけた運動療法ですが、赤本や救急法の本のなかにも紹介されているように、均整法とはご縁のある施術法です。
昭和40年代初めに仙台にて亀井先生と橋本先生は出会われて、その後お互いに交流があったようです。
施術スタイルの特徴としては、診断材料や調整の指標として感覚(痛くない、ラクだ、気持ちよいなど)をつかうこと、自動抵抗運動をつかって調整を行うなどです。
また、先生は、臨床家だけでなく一般の方々へのセルフケア、健康法としても使えるように操体法をフリーのソフトのように多くの方々へ広めました。
結果、現在伝えられている操体法のスタイルは、それぞれの指導者の個性や橋本先生と直接出会った時期の違いなどによって随分表現が違うのも事実です。
そこで、今回はまず、橋本先生が当初どのような表現で操体法を伝えていたかを改めて確認していきます。そして言葉ではっきりと表現していない操法の意味を検証し基本スタイルをより臨床に使いやすいものとして整理してみます。
次に、私なりの解釈、バリエーションとして経絡のルートを使った運用方法もお伝えしていこうと思います。
操体法を通して、『動き』というものに着目し、それを調整法の道具として使い、尚かつ、その先により疲れにくくしなやかで、いきいきと動くことが出来るようにクライアントにお伝えする、そんなことができたらいいなと思っています。
■川名先生プロフィール■
東京出身。
東海大学文学部東洋史学科卒業。東海大学文学部東洋史学科卒業。
社会福祉法人賛育会清風園(特別養護老人施設)勤務、介護職に従事。
出産退職後、子育てをしながら学生時代から興味のあった操体法を、
故渡辺栄三先生、三浦寛先生他複数の先生に師事し学ぶ。
東京医療専門学校卒業。鍼師、灸師、あん摩マッサージ師免許取得。
身体均整法学園卒業。
東京秋葉原の操体法専門施術所、津田温古堂(当時渡辺栄三先生が主催)に 10年間勤務後、独立開業。
他に、斎藤豊氏に師事し古武術、起倒流の動きをベースとした稽古会に参加。
また、マクロビオティックを学び指導もしている。
東洋はり医学会所属。
「川名操体治療室」ホームページ
日 時 7月21日(日)
・場 所 笹塚区民会館
・時 間 午後1時〜午後4時50分
・料 金 身体均整師=\2,000
◇午前練習会のお知らせ◇
今年度の支部研修会、午前中から会場を取
れた月には、午前練習会を開催します。
内容は支部役員を中心としての、臨床アド
バイスや施術練習など。
参加費は無料。午前中のみ参加も可です。
7月は21日(日)10時〜12時まで。8月以
降の予定も支部だより、支部ホームページ上
で随時お知らせします。
日々の現場からの疑問や質問、たくさん持
ち寄って、一緒に解決していきましょう。
『笹塚区民会館』
渋谷区笹塚 3-1-9
電話:03-3377-1060
交通:京王線 笹塚7分
■第476回支部研修会報告■
5月の支部研修会は、上原社会教育館において【リピーター獲得につながる貴重なお話】として、鳥居あゆら先生・小柳弐魄(にはく)先生・田川直樹先生からなる3本立てという豪華版で行われました。
昨今のクライアント様は、レベルの高い知識と共に向学的な方が増えつつあり、今回のような課題も多くの先生方に活用しやすい内容だったように思われました。このように情報の共有化が出来ることの有り難さ、心強さを改めて感じられる時間でした。
【均整師のための、知ってるとちょっと得する薬の話 】
講師:鳥居あゆら 先生
クライアント様との対話のなかで、話題に挙がりやすい『痛み』と『お薬』。【鎮痛薬から見た痛みのメカニズム】を中心にお話し頂きました。
薬剤師として医療現場に携われたご経験ならではのお話や、一般的に理解が難しい、複雑な薬の性質・作用・影響などを解りやすく、丁寧にご講義して頂きました。
《痛みの種類》
(1) 外傷などから末梢神経を通じて脳へ伝えられる痛み。末梢における発痛物質による痛みで、痛風や捻挫などが含まれる。
一般的な消炎鎮痛薬(バファリン、ロキソニン、ボルタレンなど)で効果が得られる。
(2) 末梢神経そのものが原因の痛みケガや病気などから受けた障害により神経の興奮が続き、『痛みを伝達する物質』が過剰に放出され続けた状態。いわゆる神経痛を指すが、糖尿病による痺れや痛み、帯状疱疹痛、三叉神経痛なども含まれる。こちらは一般的な消炎鎮痛薬が効かない。近年、医療用でリリカという新薬が登場した。
(3) 心因性の痛み
(4) 内臓痛
けいれん性の場合が多く、消化器官 ( 内臓平滑筋 )が過剰に収縮して発する痛み。一般的な消炎鎮痛剤は効かず、平滑筋向けの抗けいれん薬を用いる。長期間の慢性的な痛みとなると、複数の痛みが深くからみ合った状態 ((1)+(2)+(3)= 混合生疼痛 )となり、慢性腰痛や生理痛 ( (1)+(4))などが相当する。
質疑応答では、鎮痛成分そのものは眠くはならず、市販頭痛薬の一部に補助剤として眠くなる成分が入っている場合があること、鎮痛薬は我慢してからよりも早めに飲んだ方が明らかに効き目がよいこと、シップ薬については冷シップでも温シップでも実は効果は同じ、感覚だけの違いで、冷やす目的ならばアイシング、温める目的なら使い捨てカイロが適当であること、創傷の湿潤療法の紹介、そして食養手当て法として風邪には第一大根湯、吐気時の水分補給にはほうじ茶がよい、などの興味深いアドバイスを頂きました。
【60分で “鍼灸師” になれるスピード講座】
講師:小柳弍魄(にはく)先生
鍼灸は、基礎医学と東洋医学で慢性疾患を、柔整は基礎医学と西洋医学で急性疾患を学びます、とお話を切り出され、《腰痛関連の国試過去問題》を13問ほどご紹下さり、腰痛症状についての復習・確認を丁寧に進めて頂きました。
また、腰痛が感じられなくても、70%の方々にヘルニアが見られることや、ヘルニアが腰椎4番と腰椎5番の間から出ている場合は腰椎5番神経が傷つけられる、など臨床上に不可欠な内容でした。
『学術的に視野を拡く持ち、それぞれの学問に向かい合うことが大切』とのことで鍼灸学校での16学科を簡潔明瞭にご説明下さいました。
【施術後のアドバイス集】
講師:田川直樹 先生
お客様からもよく質問される「健康面から見た理想の立ち方・歩き方」のお話を中心に、前鋸筋、大腰筋、ハムストリングスなどの伸張反射を使った、体のしくみに逆らわない歩き方を学びました。
エクササイズとしては「前脛骨筋エクササイズ」「股関節ストレッチ」「片脚立ち」の三つ。
生理的弯曲をしっかり出せると骨盤が起きて股関節が外旋し、足裏には自然にアーチができます。
歩きの一連の動作の中で、安定した片脚立ちを保ちながら体幹を前方に送る時間を長くできるほど、大腰筋が伸ばされ、伸張反射が使えます。
片脚立ちの時間を長くするためには、まず土台である足裏アーチを作り、地面をしっかりつかめることが必要。
講義ではそのための基礎となる、前脛骨筋エクササイズ他を実習しました。
腰椎4番、5番をしっかり整えると、各エクササイズがより行いやすくなるとのことでした。
※今回の講義内容は、NSCA認定パーソナルトレーナーである「体玄塾(http://www.taigenjuku.com)」志水博彦先生の理論、エクササイズがもとになっています。
研修と総会の後は、長年に渡って支部長、副支部長を務めて下さった深沢功先生、天内登先生、木内登喜子先生を囲んでの慰労会。
先生方、今まで本当にありがとうございました。
これからも変わらぬ笑顔とご指導を、毎月の支部研修にて楽しみにしています。(レポート:関根みち代先生)
【今後の支部研修会の予定】
8月18日(日) 星野一彦先生【頸椎について】
9月15日(日)小酒井外紀(こさかいげき)先生【臨床応用(仮題)】
10月20日(日)【坐位での調整法研究(仮題)】
11月17日(日)「木場均整指導所」坂戸哲(さかとあきら)先生【類別克復法の構造】
12月15日(日)【未定】
2014年
1月19日(日)「身体均整院 はつらつセラピー」村松陽一先生【チャップマン反射と12種体型(仮題)】
■東京支部よりお知らせ■
◇印刷物郵送用封筒について◇
今年度から支部事務局住所が変更になりました。支部だより郵送用封筒の印刷が旧住所のままになっておりますが、経費節約の関係上、在庫を使いきるまで、しばらくこのままでいきますので、どうぞご了承下さい。
◇新役員について◇
5月の支部総会において以下の役員が承認を得ました。どうぞよろしくおねがいいたします。
支部長 田川直樹 (会員名簿管理 /他事務)
副支部長 矢作智崇 (支部だより)
支部理事 片岡久雄 (学術)
福田和子 (会計)
馬場久宏 (学術)
桜井範幸 (DVD編集、製造)
松岡博子 (研修)
大村浩二 (研修)
支部監事 坂戸 哲
山崎慎市郎
支部相談役 西脇幸宏
宮川幸次郎
小酒井外紀
池田 勝
支部参与 星野一彦(会計管理)
深沢 功(総務、会計一般)
天内 登(学術)
木内登喜子 (研修会場)
■支部研修旅行報告■
毎年恒例の支部研修旅行。今回は過去の参加者からも好評な草津へと、3回目の旅でした。
集合日の朝は雨模様でしたが、都内からの送迎バスにて到着した現地は、 快晴に近いほどのよい天気。
湯畑近くのお蕎麦屋さんにてランチを楽しむと、さっそく大広間に集まって、 類別克復法より「耳」についての研修会。
夕食後、それぞれに温泉や散策を満喫したあとは一部屋に集まり、持ち寄った酒と肴で 深夜まで均整談義に花が咲きました。
2日目は午前中、16名の参加者を、先輩と後輩がペアになるように分けての施術交換。
先輩への施術は緊張しますが、とてもよい経験になります。先輩方もとても癒されたご様子。
もちろん先輩方からも、一手一手解説付きの、絶妙な調整のプレゼント。
参加者全員、帰りのバスでは、気持ちよいお昼寝タイムを過ごしながら帰途に就きました。
■セミナー報告■
「均整初級施術者への意思確認と実現へのアシストプログラム」と題しましたマネジメントセミナーは4/28、6/2の日程で終了致しました。
1回目では主に「今の自分の理想と現実」を洗い出す作業、2回目では「ではその為に必要な事は?」という実践的な課題を、講師の海雲龍人先生指導のもとに各自掘り下げました。
均整院の成功に漠然としたイメージはあるものの、何から手をつけて良いのかぼんやりとしている。
でも改めて文字や数値に置き換えてみると、新しく見えてくるものがはっきりとして、具体的な道すじ作りの手掛かりとして非常に得るものがあったと感じました。
☆参加者の声☆
・目的を作るだけでなくイメージとして常に思い描けるようにすることにより、具体的な動きが自然にでてくるという事の裏付けが持てた。
・目標があいまいでは実現も難しいと実感した。実現させるには具体的にしなければいけないこ
とが沢山あることに気づかされた。
・今後も、開業されている先生方の具体的な成功例や失敗例を参考にこれから開業を考えている会員への開業塾のようなセミナーを開催してほしい。
・2日間でも大変参考になり、現在、仕事に学んだ事をいくつかとりいれながら過ごしています。感謝。
(レポート:「みわ身体均整院」高城~たき~美和子先生)
■東京支部会員による自主活動■
◆第232回手技研究会◆
・日 時 7月18日(木)17時位〜21時位 (毎月3回目の木曜日に開催しております)
・場 所 中野区大和町1-65-4増田ビル2F ザ・均整法せいたい
・問合せ 池田 勝
・参加料 ¥1,000
◆手技勉強会◆
受者、整者、第3者が納得する、「3つの納得」 の為を目標に、実際にクライアントを招いての実技及び実技指導を実践し ます。
受者の施術料は、事故発生時に賠償保険の対象にするために、初回~3回まで1,000円、4回以降は、3,000円を徴収しております。
・日 時 毎週木曜日10時~21時 (但し毎月3回目 の木曜に限り17時位まで) ・場所、問い合わせ 上記手技研究会と同
・参加料 無料
◆天内練習会 & 頭脳開発研究会◆
正しい角度・張力によって基本的な操法で的確に効果を出すための練習、しなやかな操作で受者に負担をかけずに必要な刺激を十分に入れる練習を続けています。
会場手配の都合がありますので関心のある方は早めに御連絡下さい。
・日 時 7月16日(火)13時15分〜16時45分
・場 所 JR中央線武蔵小金井駅もよりの
天内先生施術所または近隣施設
・参加料 1,000円
※問い合せ、参加申込は馬場先生まで
◆均整法 原理を語る散歩道◆
研修形式ではなく、ざっくばらんに均整法の原理や関連する各分野の技・理論について情報交換・意見交換する交流会です。
野外をぶらぶらしながらお話する企画ですが雨天・猛暑等の場合は喫茶店などを利用。参加される方は前日までに御連絡ください。
・日 時 7月30日(火)14時〜16時30分
(途中合流、途中離脱自由です)
・場 所 新宿御苑を予定
・参加料 無料。入場料(200円)、飲食費等は各自負担になります。
※問い合せ、参加申込は馬場先生まで |