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東京支部だよりバックナンバー(2010年3月)

■■ 第147号 身体均整師会 東京支部会報  ■■

◇ 東京 支部だより ◇

■■          2010年3月■

発 行 身体均整師会 東京支部

事務局 東京都小金井市本町1-2-14 コーポ牧田102

責任者 深沢 功


■第439回支部研修会報告■

1月17日の支部研修会は、恵比寿社会教育館に於いて、西脇幸宏先生を講師としてお招きし、「相関関係」の講題でご講義いただきました。

 

【同形相関】

モデルを腹臥位で観察すると、左の股関節部が外に張り出している。下顎骨と骨盤の相関を使った調整として何度か開口させ、顎関節を弛めることで、股関節の張り出しがなくなった。

 

【同形相関2】

側頭骨と肋骨の相関を使い、腸骨と肋骨の間を広げる調整。

他の例として、ほうれい線と季肋部を同形と観ることもできる。季肋部「ハの字」が下がっている側のほうれい線を人差し指で軽く押し下げ、しばらく圧定していると、季肋部が上がってくる。

 

【水平相関】

両腕を体幹に沿わせたとき、水平ラインで同じ高さとなる部分は相関する。ここでは手首と骨盤を水平相関として、右股関節の内外旋動作を整えると、右手首が背屈しやすくなった。

変化しにくい場合は、股関節と手首を同時に調整。それでもダメなら次の手で。ひとつの部位について、二十通りくらいの調整方法を用意しておくとよい。

 

【臨床へのヒント】
○ふだん使用頻度が高く、使い勝手もよいと思う相関関係は「体型相関」。
○相関関係にあるはずの箇所がその通りに出ていない場合、症状が軽くても根が深い可能性があるので注意すること。
○施術の最初に両足首の前後左右回旋動作を整えておくと、問題のない椎骨が正中に寄り、脊柱が大枠で整ってくる。問題のある椎骨は正中に寄ってこないため、調整がしやすくなる。
○同形相関3:足裏「ハの字」のしわと季肋部を同形と観る。例えばF2の後ろ重心で腹部が突っ張り、季肋部周辺を直接触るとくすぐったがる人には、相関する足裏「ハの字」部位を、足の角度をとって調整する。

 

研修後は、恵比寿ガーデンプレイスタワー39F「北海道」にて、西脇先生を囲んでの新年会。東京の夜景を楽しみながら、均整談義に花を咲かせました。(レポート:田川)



■第440回支部研修会報告■

2月21日の支部研修会は、笹塚区民会館に於いて、漢方薬剤師の山岡法子先生を講師としてお招きし、「漢方による四診(主に望診)について」の講題でご講義いただきました。

 

‘軽剤’と呼ばれる「香蘇散」を約一時間かけて煮出しながらの講義。
漢方薬の香りが会場いっぱいに。

 

【気、血、水の考え方を、日常生活へのアドバイスに活かす】
○食後、眠たくて眠たくで仕方がない人は「気虚」。夜遅い食事などで胃腸が弱り、吸収できなくなっていないか。
○神経質、イライラしやすい人は「気滞」。肌触りのよいパジャマを着る等、心地よいことを。外に出て風にあたり、自然に対して気を巡らすのもよい。体を動かせる人は、じんわり汗をかくくらい動く。
○筋肉痙攣やこむら返りをよく起こす人は「血虚」。食事から鉄分を摂れるように工夫する。
○目の下のクマ、左半身に異常が現れやすい、慢性症状の人は「淤血」。夜にしっかりお風呂で温まり、血流をよくする。可能であれば運動を心がける。
○耳鳴り、乗り物よいしやすい人は「水毒」。水をどんどん飲んでいいのは、水を巡らせて排出できる人だけ。
※参考図書「弁証図解 漢方の基礎と臨床(燻R宏世編著 三考塾刊)」

 

舌診の講義中。舌コケは胃熱、中央ひび割れは脾(消化吸収機能)が弱い等。

 

【漢方治療に際しうまくいかないときには】
○現代の漢方診療の実際:「病気が慢性になっている」「現代医薬品の服用によってこじれている」「不適切な漢方薬の服用によってこじれている」の三重苦をかかえてのスタート。
○よって「技の入り方」が大切:まず「胃腸の働きを整える」「気の巡りをよくする」「血流をよくする」。その後の治療展開として、例えば以下の三つ。
1)攻める治療(瀉剤)と守る治療(補剤)のコンビネーションで揺さぶる。
2)紫胡剤など心身をふたつながらに治す薬を上手に使う。ストレス社会ではすべての病気が心身症的。
3)「腎」の働きを高める。ステロイド長期使用などによる医源性の抗病反応の低下は「腎」の消耗をきたしている。
※参考図書「漢方診療のレッスン(花輪寿彦著 金原出版刊)」

 

【臨床へのヒント】
○この症状(証)にはこの薬、というパターンはあるものの、手術侵襲(体に冷えが凝り固まる)、こころの痛みなど、証の出現する背景因子に注意する。人は様々な条件で病気になるし、薬を飲まなくてもよくなることもある。漢方治療に習熟してくると、いわゆる病名処方はしなくなる。
○こんなことを言ったら笑われるかもしれない、と思うことの中に、薬を決める大切なポイントがある場合が多い。
○水毒は水が多いことを指すが、逆に水不足(陰虚)の場合もある。目の下がたっぷり膨らんでいると水毒。落ち込んでいるのは水不足。

 

煮出した漢方薬を試飲させて下さった山岡先生に、たくさんの質問が寄せられました。
(レポート:田川)


■均整倶楽部活動報告■

「第31回幡ヶ谷社会教育館文化祭」

2月28日、渋谷区幡ヶ谷社会教育館に於いて開催された幡ヶ谷文化祭に、今年も参加しました。

今回は7名の均整師により、1時間枠の中で、11名のお客様に向けて施術を行いました。

受けてみてとてもよかったと、他のお友達を急いで連れて来て下さったものの、終了間際でかなわなかった方もいらっしゃいました。

売り上げから経費などをのぞく金額を、渋谷区の社協に寄付する予定です。
お忙しい中を参加された先生方、お疲れさまでした。
        
毎年、事前の準備からいろいろとお世話して下さっている木内先生、秋島先生。
いつもありがとうございます。

均整倶楽部は地域社会への参加、均整法の普及を、こうした活動を通して実践し続けます。

参加者(敬称略・アイウエオ順)
秋島香、植松純子(手技研究会)、宇賀村芳行、木内登喜子、田川直樹、築田友里恵(21B)、馬場久宏。

 

 


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