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東京支部だよりバックナンバー(2008年12月)

■■  第134号 身体均整師会 東京支部会報  ■■

◇ 東京 支部だより ◇

■■            2008年12月■

発 行 身体均整師会 東京支部

事務局 東京都小金井市本町1-2-14 コーポ牧田102

責任者 深沢 功 TEL/FAX042ー233-9782


■12月の予定■

(1)第423回支部研修会報告

11月24日の支部研修会は、
身体均整法学園に於いて坂戸哲先生を講師としてお招きし、
3回連続の観歪法講座第1回目として「観歪法・基本と臨床(1)」の講題でご講義いただきました。

----- リウマチ -----

D6右1側 、L2左右2側鼓舞、
D9左1側、D11左右2側抑制。
小趾球、三焦腺をゆるめる。
(類別克服法P.149「リュマチスの克服法」より)。




○リウマチに限らず、病院で診断名が出ているお客様に対しては
 「観歪法」及び「類別克服法」に沿って観察。
 テキストに載っている通りの椎骨に反応が出ている。

○調整もテキストの手順をそのまま行う。副腎の鼓舞法になる。
 精神的に疲労している方にも有効。

【仙腸関節調整】

○膝に水がたまった場合、仙腸関節調整は必須となります。



腹臥位で両足を屈曲、踵の高い側の仙腸関節を調整(写真では右が高い)。



観歪法調整全般の注意事項として、
高血圧の方には、D5〜10への刺激はしないほうがよいとのこと。

その場合、
例えば骨盤型のF10調整(C3 D4 D12 S3)で、
D5〜10への刺激を回避するなど、
12種体型を応用した調整も使っていくそうです。

研修後は、学園近くの中華料理店「永利」にて、坂戸先生を囲んでの懇親会。
学生の頃のお話や、均整法のお話など、たくさんのお話と料理でお腹いっぱいになりました。




次回は「胃潰瘍」を主なテーマに、胃に関する様々な内容を講義いただきます。
ストレスにより食欲コントロールが効かなくなっている方への調整にも非常に役立つそうです。
どうぞお楽しみに。(田川)

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■12月の予定■

(1)12月の支部研修会

11月の講義は大変好評で、
会場となった池袋の身体均整法学園の部屋も座る場所が見つからない程でした。
12月も引き続き坂戸哲先生による、観歪法・基本と臨床の2回目の講義です。

臨床の場で、体型調整後、観歪法のテキストを傍らに置き、
それに記された箇所を記された通りに刺激を入れるだけで受者の身体や主訴は改善されます。
そろそろ忘年会、新年会などで消化器に負担をかける事が多くなる時期が到来しました。
そんな訴えを抱えたクライアントを喜ばせてあげましょう。

今年最後の研修会は「胃」をテーマとします。

・日 時 12月21日(日)
・場 所 笹塚区民会館
・時 間 午後1時〜午後4時50分
・講 題 「観歪法・基本と臨床(2)」
・講 師 坂戸哲先生
・料 金 2,000円

※当日はテキストとして『観歪法』と『類別克復法』を使用します。それぞれご用意下さい。

■今後の支部研修会■

◎1月18日(日)
 講師:坂戸 哲先生
 講題:観歪法・基本と臨床(3)
 場所:代々木上原社会教育会館
 研修会後、新年会を予定

◎2月15日(日) 未定

◎3月15日(日)
 講師:小酒井外紀先生


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■東京支部から■

「支部研修会考 その1」東京支部長 深沢功

本部より「今期の支部研修会の方針」について聞かれましたが、
その都度思いつくままに講師を選んできたので答えられません。
良く言えば臨機応変、悪く言えば行き当たりばったりの運営です。
これではいけないと思い、改めて「支部研修会とは何か」を考えてみました。

「送り手」と「受け手」という立場の違いで考えてみました。
送り手とは、私達支部研修会を企画運営する立場にあるもの。
受け手とは、皆さんのことで、支部研修集会に参加して勉強しようとする人たちです。

まずは、「受け手」の視点で、均整の技術を習得する過程を考えてみます。
すると、次の3つの段階があることに気づきました。

1、情報収集の段階『調査、並列』
2、知識の段階『選択』
3、知恵の段階『同化、応用』

1、情報収集の段階とは、均整法を学ぶことに関していえば、
筋肉操法、骨格均整、観歪法等とそれぞれ分野の違う技術がありますが、
学ぶ側からすれば、この段階では、それらの技術は単なる情報でしかありません。
筋肉操縦法はどの筋肉にどのような働きかけをするのかとか、
観歪法は脊髄神経を調整する技術などといった大雑把間、概念的な情報です。

1、の段階では、受け手の前に、こうした情報が何種類も等価の関係として並んでいるだけです。
受け手の中で、それぞれの技術について、好きか嫌いか、学び易そうか難しそうかなどの、
ウエイト付けはまだ生まれてはいません。
データは全て並列的な関係です。
受け手はそれがどんな内容であるかを調べている状態、いわば、とっかかりの段階といえます。

しかし、そうした均整の全分野をすべてモノにできるかというと、
いっぺんには無理で、そこで次の段階が必要になってきます。
それが、2、知識の段階です。
得た情報により、たくさんある技術の中から、
自分が気に入ったもの、そうでないもの、あるいは興味のあるもの、ないもの、役に立ちそう、そうでないもの、
といった区別をつけて、自分に取り入れやすい技術を選ぶようになります。

1の段階で、並列に並んでいた情報も
ここでは差異が生まれます。
情報にはウエイトがつけられ自分にとって必要なものが選択されます。
もう単なる情報の羅列ではなく、
自分にとって、より身近なものとなりますので知識の段階ということができると思います。

しかし、それで技術が身に付くのかというと、そんな筈もなく、
選択した技術を毎日毎日、臨床の場で繰り返し使う事が必要になります。
そうしているうちに、この場合は効いた、この場合は効かない、など、
経験を積むことにより、その技術の限界または可能性に対し一定の見解をもつことができるようになります。
この段階は単なる知識の枠を超えて、その技術を応用自在にあやつることできるので、
知識を超えた、3、の知恵の段階といえるのでは、と思うのです。
知識を同化し応用することができるようになっているのです。

これは料理を食べることに似ています。
テーブルの上に和洋中華、魚肉野菜等々、数多くの料理が並んでいるところを想像して下さい。
均整には様々な技術がありますから、バイキングといった形式でしょうか。
その全てを食べることが出来ませんので、
どんなものかを見て『情報の収集』し、好みを『選択』し、お皿に盛ります。
そうして、それを食べることになりますが、
食べれば、その食物が血となり肉となって体を作ります。
これは『吸収、同化』です。どうです、同じでしょう。

このように考えると、色々面白いことが分かってきます。
料理を食べ、適度の運動をすれば立派な体ができますが、食べているばかりでは肥満になります。
情報を得るだけで使おうとしないのですから頭でっかちの情報肥満児となります。

2の『選択』と3の『同化、応用』は受け手の問題です。
どのように選択されるか、消化(同化、応用)されるかに送り手の関与する余地はありません。
送り手である支部ができるとすれば、1の情報の段階のお手伝いだけのようです。
支部の送り手側ができることは、
情報の陳列をどのように見栄え良くするとか、
食べやすいように、あるいは消化しやすいように加工することだけのように思えます。

また、腹がすかなければ料理を食べには行きません。
支部研修会に来る人は飢餓感をもっている人以外は来ないのではないでしょうか。
養成講座を卒業したての方が多いのはこの為です。
お腹がすいていない、つまり、現状に満足している方は支部研修会には来ないのです。

昔の先生は全国講習会にでても、講師を捕まえて深夜まで色々聞き出していました。
現在はこの傾向はだいぶ薄れましたが、それもハングリー精神のなせる技。
また現在はインターネットやマスコミ等で手軽に情報が手に入るので、
皆情報に満腹になっているので、この傾向に拍車かかるのではないかと思うのです。
飽食の時代といわれていますが、情報に対しても同じことが言えそうです。

さて、このように考えて支部研修会に多くの人が来てもらうようにするにはどうしたら良いのでしょか。
料理する素材は『亀井先生の残された技術』。
支部研修会は食欲をそそるように、うまく料理をしなければいけません。
さて、ではどう料理して出せば良いのか。はたと困ってしまいました。

しかし、長くなりましたので、続きの送り手の立場から考えることは次回(2月号)にいたします。
また、支部長である私はこんなことを考えているのですが、皆さんにも考えて頂きたいと思います。
ご意見があれば、この紙面で議論してみるのも良いかと考えています。
是非ご参加下さい。

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■東京支部自主活動情報■

(1)第177回手技研究会

・日 時 12月18日(木)17時位〜21時位
・場 所 中野区大和町1-65-4増田ビル2F
     ザ・均整法せいたい
・問合せ 池田勝 TEL.03-5373-3643
・参加料 ¥1,000

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(2)手技勉強会

受者・整者・第3者が納得する「3つの納得」の為を目標に、
実際にクライアントを招いての実技及び実技指導を実践しています。
 
受者の施術料は、事故発生時に賠償保険の対象にするために、
初回〜3回まで1,000円、4回以降3,000円を徴収しております。      

・日 時 毎週木曜日10時〜21時(但し毎月3回目の木曜に限り10時〜17時位)
・場 所 手技研究会と同:ザ・均整法せいたい
・参加料 無料

http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E139.39.13.190N35.42.23.350&P2=3201E139.39.13.190N35.42.23.350&flg=1

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■〈特集〉野村均整ノート■

【野村ノートとは】

佐賀県でご活躍していらっしゃる、均整操法研究会の野村宣行先生が
昭和50年の頃より編集、作成した、大変貴重な資料です。
野村先生は、東京支部の研修会でも講師としてご協力いただいており、
最近では「くつろぎ傾斜圧」の講義をしていただいた事も記憶に新しいと思います。

「均整法の勉強法として、
 亀井師範の講義を収録したテープを聞きながら、それをノートに書き写していた。
 単に走り書きノートだけにしておいては勿体ないと思って、
 それを清書して分かり易いようにイラスト(注1)を付けて佐賀支部の研修会で使っていた。
 それがだんだん工夫を重ねて冊子になり、今では全国的に広まっていった。
 全国講習会の講義は初期の頃が分かり易くて均整法の原則が説いてあるから
 自ずと年月の旧いところからテープを掘り起こして冊数を重ねてきた。
 亀井師範の講義は名調子だったので、その語り口をなるべく残すように心掛けてきた」
 野村宣行先生編集 均整操法「資料研究」より

「身体均整協会の全国講習会は、
 第10回前後の頃は1年に3回ぐらい各地方に持ち回って開催されていた。
 1回の講習会は3日間行われ、講師は亀井師範が連続して理論と実技の指導に奮闘されていた。
 協会では亀井師範の講義の始終を録音テープに収めて
 その概略をテキストにしたのが以後29号に及ぶ均整講座集(注2)となったのである。
 協会発行の講座集は会員必携の教科書となって、私も講座集を頼りに臨床に当たっていたのであるが、
 難問にぶつかって録音テープを聞いてみると、
 講座集から洩れた亀井師範の言葉が随分あることを知った」
 野村宣行先生HP「野村均整ノートの履歴書」より

(注1)学園の壁のパネルや学園テキストなどで見られるおなじみのイラストも野村先生の手によるもの
(注2)現在均整師会ではこれらをまとめ講座集復刻版1〜8集として販売している

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【発行物一覧】

■単本

1)重心と重心支点の均整テクニック 2000円 均整法にとって基本的な課題の重心と支点を説く。
2)骨格均整法の基礎理論 3000円 三原則と十二種体型から一歩踏み込んだ理論を展開。
3)改編:姿形操縦説明図 2000円 初期資料で、項目や挿絵を改めその他を補完した。
4)脊髄神経反射の診断と調整法 3000円 分かり易いように挿絵や一覧表を入れて復刻した。
5)身体均整法のあゆみ 1000円 亀井師範と均整法の歩みを資料の年表と併せて編集。
6)救急均整操法 9000円 全資料から救急的なものを選び、初心者向けに編集。
7)神経反射のテクニック 5000円 刺激の原則、体型の観察、調整その他が説かれている。
8)全面改訂:整顔整容法 9000円 テープにより全面改訂。テキストも復刻して付した。
9)初めての人に‥均整法とは 2000円 亀井先生が均整法を分かり易く説いた入門書。
10)改訂復刻:療術臨床必携 8000円 亀井先生初期の代表作。均整法の原点ともいえる。
11)全面改訂:痛みの処方 10000円 第20回全国講習会講義。講座集8号を全面改訂
12)全面改訂:続・痛みの処方 8000円 講座集8号を全面改訂「類別克復法」の解説書としても役立つ。 
13)均整入門:分かりやすい12種体型 6000円 12種体型と三原則を、講義記録を聞き直し分かり易く改訂。
14)オステオパシー:肋骨・骨盤均整法 7000円 オステオパシーの講義、初の書籍化。
15)オステオパシー:脊柱・関節均整法 10000円 前記の後編。これにより骨格均整法全編が紹介される。
16)小児均整操法 6000円 講座集15号「小児の均整操縦法」を詳細に改訂。
17)老人均整操法 6000円 講座集16号「老化と老年病」を詳細に改訂。
18)くつろぎ傾斜圧 6000円 楽になる姿勢から、異常が運動系に現れる原理を説く。
19)お母さんの均整法 家族の為にお母さんにもできる均整法を編集。
20)均整法の概要と刺激の原則 亀井師範初期の論文と操作法を分かり易く改訂。

■合本

@(合本)眼・耳・鼻・口 7000円 資料全般から、眼、耳、鼻、口 の均整操法をまとめたもの。
A(合本)頭骨の調整 6000円 頭蓋骨の操作は全ての運動系に関係し、
 均整法の根幹に関わるといわれている。頭蓋骨操法に関するものをあらゆる資料から収集しまとめた。
B(合本)反射法のまとめ 4000円 全資料から反射操法に関係するものを集めたもの。
 習熟すれば苦労することが少なくて独自の技術を会得することが出来る。
C(合本)自・他動操縦法 7000円 種々の動作によって異常を見つけ出し、
 動作、呼吸、間の取り方によって自分を矯正、それを応用して他者を調整する技術。
D(合本)生殖器講座  9000円 生殖器に関する調整法の合本。
 女性に関する故障は生殖器に起因するといわれている。これはそれを解く鍵になる。
E(合本)消化器のまとめ 9000円 協会から発行された各種資料から、消化器に関するものを全て集め補完。
F(合本)循環器のまとめ 8000円 循環器に関するものを一切合切集めた。
 成人病調整の組み立て方に役立つ。
G(合本)均整法の基本操法 6000円 均整法のテクニックについて説かれたものを集約した。
 臨床の技術についての原則を 説いてある。
H(合本)均整法の諸原則  7000円 亀井師範が初期の頃に説いた均整法の原理に関する講義を集めた。
I(合本)内的故障・内展体制の原理 7000円 内部の故障が外部に現れた場合の理論。
 均整法の技術を変わった角度か らみたもの。


東京支部事務局では、野村ノートの注文取り次ぎを行っております。
最新版の、『均整法が一目でわかる:図表とイラスト集』(詳細は次号で紹介)をもって、
おそらく野村先生が亀井師範の資料おこしをするのも最後かと思われます。
より深く、均整法の神髄を亀井師範の言葉とともに理解したい方、
東京支部事務局天内(TEL 042-388-4831)まで問い合わせください。


 最初は3原則も12種体型も全く理解できなかった。
 土井先生が最初に手渡してくれた「身体均整法入門」などはまるで歯がたたなかった。
 然らば分かり易いように自分でノートを作ろうと思った。
 「分からない者が分かり易いように作るから分かり易い」という主旨は一貫して今も変わらない。
 野村宣行先生HP「均整ノートの始まり」より抜粋

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■あとがき■

『類別克復法』に記されている事がそのまま『観歪法』に記載されているんです、
と先日の研修会で坂戸先生が仰っておりました。
なんだかそんなお話しを伺えただけでも得をしたような、勉強になったような、
なにしろ今日此処に来てよかった、と思います。

学園に通っていた2年間、授業中講師の先生に質問をした事がありませんでした。
何が分からないかが分からないのです。
初めて都内の地下鉄の路線図を目にした時にも似て、
均整法はあまりにも大きかったのでしょう。

それでも最近では少しは経験を積んできたからでしょうか、
研修会の場などで質問ができるようになってきました。
とは言っても、まだ渋谷から吉祥寺に行くために銀座線に乗るか井の頭線に乗るか程度の質問ですが・・・。

この度の研修会でも思い切って尋ねる事ができました。
それも学園を卒業した者ならば、誰でも分かっていて当然のような質問です。
研修会に参加された他の先生方の貴重な時間を割いてしまうのではないか、
と恐々でしたが、尋ねました。

「肥厚、硬結とはどういう状態ですか?」

これは僕にとって永いあいだ置いてけぼりにしていた質問でした。
坂戸先生は丁寧に教えてくださり、僕はようやく一歩進む事ができたと嬉しく思いました。

まだまだ質問のストックは山ほどあります。(矢作)


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