亀井先生は、「身体均整法は自ら考案し、創造したものである。」と述べ、
次のように言っています。
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1.
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身体均整法は、少林寺拳法、藍川流合気術ならびに療術の『体読』『体観』によって創始した。
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2.
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身体均整法は、体の外表の知覚変化、体型のあり方を通じて、体の中の変化を知り、外表の一部に刺激を加えて体を均整にする技術で、人間の感受性、体型を利用して体を整える方法である。
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生物の生きていることの実相は、代謝と循環にあります。生物はあるルールに従って高分子(物質)を代謝し、循環させて生きています。
「出力の一部を入力側に戻し、出力を制御する」という意味の言葉に「フィードバック」があります。それはまた、「結果や反応に基づいて原因を調整する」ときにも使われます。このフィードバックという言葉を使えば、生物の営む「あるルール」とは、「生命は調整制御の開かれた、多重フィードバックで維持されている」ことをさします。
調整制御の基本的なしくみは、信号をとらえるセンサー(感知器)と、信号を伝える伝達系と遺伝子を動かす制御系からなっています。この調整制御による多重フィードバックは、階層的構造をとります。フィードバックが破綻するのは、このセンサー、伝達系、制御系のいずれからの働きが適切でないことによります。
私たちの生きている身体は、数多くの要素が相互に作用しながら、複雑、多岐な生命現象、調整制御の階層的多重フィードバックを営んでいます。生物は動的な秩序を形成し、形成した秩序を維持し、秩序を進化させることをくりかえしています。
身体均整法は、その生命現象の特徴を踏まえ、人体の「姿形、動き、体表の知覚」に何かしらの変化を与え、身心全体の機能の回復や健康の維持と改善をはかります。身体の姿形、動き、知覚は解剖学でいう骨格系、皮膚と筋肉系、神経系の運動系に属します。
言いかえますと、身体均整法は複雑な生命現象を営んでいる生体の中から運動系をとりあげ、その運動系を観察し、その運動系の法則にもとづいて行う手技療法ということになります。
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図1
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