統合医療学会に身体均整法に関する論文を提出
三浦宏明 理事(学術部長)「お知らせ」にもありましたように、身体均整師会では、国の統合医療推進の動きに対応した取り組みをはじめています。
さる6月30日、統合医療学会向けに論文「身体均整法の特徴と運動学的な意義についてcharacteristic and significance of kinsei、a view of kinematics」を提出いたしました。
統合医療の取り組みが進むと、一般の民間療法を交えた混合診療が増加してゆくことになります。民間療法に対して、エビデンスや効果の検証が厳しく問われる時代になるものと予測されます。
学術部では、今後とも積極的な取り組みを続けてゆきたいと思っています。以降、8回に分けて「身体均整法の特徴と運動学的な意義について」の内容を紹介してゆきたいと思います。
「身体均整法の特徴と運動学的な意義について」(1)
characteristic and significance of kinsei、a view of kinematics
【要旨】
身体均整法の手技は、直立姿勢と動作の観察を基本としてすすめられ、最終的に、姿勢や関節可動域の改善など、運動学的(Kinematics)な変化をもたらすことに特徴がある。
とくに、姿勢や動作を、1.施術対象者のこころや自律神経機能と連携してたえず変動するdynamicな特性として捉え、2.抗重力性(=身体運動の合目的性)の器官としての全体性・協調性を考慮しながら、3. 対象者の刺激応答に即して継続的な働きかけをおこなうところにその特徴ある。
WHO『運動器の十年』で強調されてきた運動器の重要性のなかで、身体均整師の持っている、個人に即した運動や姿勢に対する運動学的・神経学的な働きかけは、体育・バイオメカニクス・運動学など、関連する分野の成果を生かしながら、他領域の専門家と協調し、運動能力の改善、向上、維持増進に資することができる有効な手順となりうる可能性を持っている。
そのためには、一般社団法人身体均整師会において、教育プログラムの修了者に対する定期的な技術の評価・スキルアップの教育機会を設定した取り組みが、今後、より大きな意味をもつと思われる。
(つづく)