一般社団法人身体均整師会
2005年9月4日 新潟県中越地震ボランティア

 今回の活動が最後となる新潟県中越地震ボランティアは、総勢20名という大人数で行われました。  現地では旧堀之内町竜光地区の竜光区民会館、旧守門村の福山開発センターの2地区に分かれての活動となり、 施術総数は79名、カルテを一人一人とり、来場者の性別、年齢別、主訴別などのデータ集計結果を魚沼市に提出しました。

●魚沼市(旧堀之内町竜光地区)竜光区民会館

魚沼市(旧堀之内町竜光地区)  受け入れ先現地ボランティア担当者の方に案内され、小出インターから20分ほどのところにある竜光地区に着きました。ここは約100 世帯で形成されている河川沿いの小さな集落です。9時過ぎに区民会館に到着した我々は、実は隣の空き地には農協の 建物があったが、震災によって倒壊してしまったことを近所の人の話で知りました。表面上、街中には傷跡があまり残って いないようでしたが、やはり地震の被害は大きかったようです。
 施術の準備をして、9時半過ぎからはじめましたが、我々が来ることを事前に回覧板で知らせて頂いたおかげで、すぐに8 人の方が来場し、施術者8人、受付2人の体制だったので満員となりました。このぶんだと広報活動をしなくても大丈夫かな と思いましたが、やはり客足が途絶える時間帯がありましたので、徒歩、車で3回ほど広報活動を行い、その度に来場者を 得た結果、56名の来場者がありました。
魚沼市(旧堀之内町竜光地区)

 福山開発センターに比べ来場者が多かったのは、この竜光地区の人は全員、昨年11月7日にボランティアに行った宇賀 地小学校に当時避難しており、我々の施術を多くの人が受けており、また受けてみたいと思っていた人が多かったからです。 施術中も昨年体育館で施術を受けたという声を多く聞きました。
 一方福山開発センターは、そういう方がなく、受けてはみたいという興味はあるが不安半分という方が多かったようで、来 場者がいまひとつ増えなかったようです。
魚沼市(旧堀之内町竜光地区)

 施術中にあるおばあちゃんが言っていましたが、「いまだに地震が怖くて玄関近くに寝ている」と。またこの地区は近くの川 が氾濫しやすく、その度にこの区民会館に避難してくるそうです。
 住民の心はいまだその傷は癒えていないようでしたが、施術が終わって受付で感想を書いているときに、涙を流して施術 に来てくれたことを喜んでくれた方もいたそうです。
 また、お昼に採れたてのトマトを差し入れてくれた方もいましたし、会館前にある酒屋さんからはお酒を2本頂きました。

魚沼市(旧堀之内町竜光地区) 魚沼市(旧堀之内町竜光地区)

 この地区には村祭りで太鼓を叩く若い人たちがいて、彼らにも施術をしました。この日はちょうど村祭りの反省会があって、会館 で彼らが太鼓を叩きながらバーベキューをしていたのですが、施術終了後、我々に「お肉を食べていってください」と誘ってくれま して、しばし現地の若人たちと交流を持ちました。
 今回の活動は、被災直後はボランティア活動をされる方も多くおられますが、一段落した後に活動をされる人は少なく、その意味 ではより純粋なボランティア活動であったのではないかと思います。
 ただし、震災直後の現地を見てきた私が一番強く感じましたことは、現地付近の高速道路の復興がまったくできておらず、昨年 11月に行ったときとまったく同じ状況で、長い区間で2車線の道路が1車線規制になっていたことには、非常に驚きました。
 帰り道、東京は記録的な豪雨で、全員の帰宅が深夜になり、また帰れなくなってしまい、一部の先生宅に泊まられた方も出てし まいましたが、現地の方には大変喜ばれましたし、現地担当者の方も施術を受け、均整はカイロとはまったく違うと驚いて 身体均整法の冊子を持っていかれましたし(他にも均整法に興味をもって冊子を持っていかれた方が何人かいました)、参加した 4人の学生は、先輩均整師の調整を見学したり、アドバイスを受けたりしていましたので、今回は前2回の活動とは違った意味で 意義深いものとなったと思っております。



●魚沼市(旧守門村)福山開発センター


 当日朝、関越高速道小出インターで全車合流後、当班は受け入れ先現地ボランティア担当者の方に誘導して頂き『(旧 守門村)福山開発センター』に向かいました。
魚沼市(旧守門村)  国道17号線(文京区の後楽園の前迄つながっている幹線国道)から右折し福島県に向かう国道252号線に入りましたが、道中 地震の復旧工事の為直接向かえず迂回しながらの移動となりました。更に山間地奥に入り込み、つづら折りの峠を越えると棚田と 集落があり、目的地の福山開発センターに到着しました。
 同地区は新潟県内有数の山間豪雪地帯であり、福山開発センターは雪の重みに耐えられる様に鉄筋構造なのですが、地震の 為に外壁が複数箇所ずれており、ボルトでつなぎ合わせてありました。あの頑丈な建物をゆすった地震の規模を改めて実感しました。
 当地は廃校になった小学校と教員住宅が、自宅に住めない被災者の避難住宅になっていました。
 到着後、(事前の魚沼社協の広報の他に)当日持参のハンドマイクを使い数回に渡り村内全域に施術の案内を致しました。
 昨年の地震直後のボランティアと違い、今回は和やかな感じで施術が始まりました。
魚沼市(旧守門村)

 被施術者は土地柄か、御年配の方が多かった様に思われます。お家はまだ半分しか治っていないというお年寄りもおられました。
地震直後は随分恐い思いをされたようです。
 人口密度が低いせいか施術させて頂いた方は23人と決して多くはなかったのですが、膝が痛くて曲がらない方や、肩、腰がつら い方など皆さんに喜んで頂きましたし、脳卒中で半身の利きが悪く、やっと会場まで来られた方は、大変楽になったと見違える様に なって帰っていかれました。また、腰の曲ったお婆ちゃんは、久しぶりに腰が伸びたと嬉しそうでした。

魚沼市(旧守門村)

 受付をお手伝い下さいました受講生の皆さんには、細やかな応対で被災者の皆様に接して頂き本当に御苦労様でした。
 「世間は被災者の皆さんの事を忘れていませんよ」というメッセージが届いたことも一つのボランティアになったかと思いました。
 終了後、旧堀之内町竜光区民会館まで移動し、日没時に全員が合流しました。 帰路、台風14号の余波で東京に大雨が降り真夜中になっても都内で渋滞にはまっておられた東京からの先生方、本当にお疲 れ様でした。
 私達の均整施術ボランティアの申し出を受け入れて下さり、御当地の区長さんへの交渉や休日にもかかわらず私達の道案内をし て下さった現地担当者の方のお力添えがあったからこそ実現した今回のボランティアでした。また竜光地区を案内された担当者の方にも当日 の案内に感謝している次第です。


●ボランティア参加者《敬称略》

【身体均整師会 会員有志】

  村松陽一  高橋 弘  星野一彦  大村浩二  池田 勝
  小酒井外紀 片岡久雄  田中菜穂実 矢作智崇  田川直樹
  馬場久宏  山崎慎市郎 松崎啓子  松井良太  太田雅雄
  太田 毅

【身体均整法学園 受講生有志】

  秋山夏紀  河内美早  小林慶紀  末永雪恵




Copyright 2004 Kinsei-ho Educational Society,Ltd. All Rights Reserved.